7・ローラーの事ついて詳しく
ミニ四駆を走らせる上で、人によって一番個性が出てくるのがこのローラーセッティング。
いかに速くコースを回りつつ、レーンチェンジャー等で安定させるか・・・。
その殆どはこのローラーに掛かっているといっても過言ではありません。
・・・まぁ、重量配分や重心位置と言う事も絡んでは来るんだけども、
基礎は各ローラーの特性とセッティング方法が大切になってくるので、
此処ではそのローラーに関わる事を書いて行きます。
ローラーは・・・現在タミヤさんから出ているのは・・・
【径としては8mm〜20mmの1mmきざみ】
【材質としてはプラスチック、ベアリング、アルミローラー】
っと、組み合わせは色々。
現在生産停止になっている物を加えると相当な数になるはず。
そんな数あるローラーの特徴と使い方を見て行きましょう。
1 『材質・構造による違い』
まずはローラーって言ってもいっぱい種類がどう違うの?っと言う所から。
それによって使う場面が変わってくるので、しっかりと頭に入れておかないと。
【1・プラスチックローラー】
最も基本的なローラーでキットに付属しているものもあります。
特徴は・・・なんといっても種類が多く、軽く、摩擦抵抗が少ない事。
他のローラーに比べて様々な径のローラーがあります。
そう考えると・・・最初に使うのにはもってこいのタイプ。
ただ、ローラーの軸がどうしても摩擦抵抗で回転が悪い事が弱点。
また・・・コースへの食い込みが殆どないプラスチックローラーは、
レーンチェンジャー等でコースアウトし易い。
フロントローラーには・・・あんまり向かないかな。
そして、このタイプのローラーには必ずグリスアップを忘れずに。
【2・ゴムリング付きプラスチックローラー】
プラスチックローラーにゴムリングが付いているタイプのローラー。
ミニ四駆PRO以外のミニ四駆のキットに付属してるものもある。
特徴として・・・プラスチック製なので軽く、ゴムリングでのショック吸収効果と、
コースとの摩擦抵抗での減速効果があるのが特徴。
どうしてもコースアウトしてしまう・・・と言う時にオススメのローラー。
ゴムリングの装着によってコースフェンスのつなぎ目が粗くても、
若干ながらショックを吸収してくれるので弾かれる事が少ない。
また、ブレーキ効果が強いのでレーンチェンジャー等でも安定しやすい・・・かな。
ただ、そのブレーキ効果によってコーナーでの速度は落ちてしまうので注意。
ローラーの回転も・・・そんなに良くないので、安定させる為のローラーとして考えよう。
このタイプも必ずグリスアップを忘れずに。
あと、このタイプのローラー・・・。
衝撃に弱くて、壊れやすいので注意かな。
【3・アルミベアリングローラー(ゴムリング付き)】
プラスチックがアルミに変わり、ゴムリングが付いたタイプのローラー。
また、中心部に520ベアリングローラーが内蔵されています。
特徴はアルミ製なので強度が高く、ベアリング内臓なので回転も良い。
また、ゴムリングによってショック吸収とブレーキ効果があります。
種類としては・・・19mmと17mmの二種類のみです。
ゴムリング付きプラスチックローラーの回転の悪さと、
耐久性の無さを補ったタイプのローラーです。
ある程度速度が上ってきたら、ゴムリングプラローラーからこちらに替えた方が良いね。
ゴムリングのお陰でブレーキ効果が生まれ、安定もし易いし・・・。
ただ、やっぱりブレーキ効果のせいでコーナーで減速しがちになるけれども、
ベアリングによってローラーがスムーズに回るので、
ゴムリング付きプラスチックローラーよりは減速効果は少ないはず。
このタイプのローラーは・・・グリスアップはしてはいけません。
・・・回転が物凄く悪くなるので、減速効果が増えてしまいますので。
また・・・ゴムリングを外して走行するのはコースを傷付ける可能性があり、
レギュレーション違反となるので公式戦等では止めよう。
【4・プラリング付きアルミベアリングローラー】
『〜画像準備中〜』
前述したアルミベアリングローラーのゴムリングがプラスチック製になったローラー。
特徴として・・・プラリングによるトップクラスの摩擦抵抗の無さ。
ベアリングも内蔵してあるため、回転も良く優秀なローラーの1つ。
種類として・・・19mmのベアリングローラーの1種類のみです。
プラリングの滑りと、ベアリングによるスムーズな回転で減速効果がかなり少ないローラーです。
ただし、プラスチックのリングを使っているので・・・ショック吸収は殆どしてくれません。
コースのつなぎ目が粗いと・・・・コース上で弾かれ、マシンがふらつく可能性があります。
また、コースフェンスへの食い込みが殆ど無いので、
フロントローラーとして使用すると・・・レーンチェンジャー等で飛び出す可能性が出てきます。
リヤに2段にして使うのがベターな選択かな。
このタイプのローラーも・・・グリスアップはしてはいけません。
・・・回転が物凄く悪くなり、せっかくの低抵抗ローラーとしての効果が発揮できなくなります。
【5・ベアリングローラー】
今や高速コーナリングの必須アイテムとなったベアリングローラー。
種類もプラローラーほどではないにせよ、色々な径のローラーがあります。
特徴として・・・スムーズな回転をするローラー。
材質も金属で摩擦抵抗が限りなく小さいのも特徴。
金属による滑りとベアリングによる回転のスムーズさにより、
コーナーでの減速が少なく、ハイスピードでコーナーを駆け抜ける事ができます。
レーンチェンジャーでもエッジ(ローラーのカド)が鋭いベアリングローラーの場合、
高速でレーンチェンジャーに進入してもコースアウトを防いでくれるローラーがあります。
例として・・・2段アルミローラーや9mmベアリングローラー。
13mmベアリングローラーや830ベアリングの場合はカドが鋭くないので、
レーンチェンジャーではコースアウトの危険性があるものの、
コースに食いつかない事で抵抗は少ない。
こう見ると・・・ベアリングローラーは良い所だらけだけど、
最大の弱点は・・・・重いのと高価な事。
830ベアリングは・・・AOパーツで2個で700円もするし(苦笑)
ベアリングローラーもグリスアップはしてはいけません。
何度も書くけど・・・回転が悪くなってしまうと、
その分、スムーズにコーナーを回れなくなるから遅くなってしまうよ。
2 『ローラー径によるセッティング』
もし、ローラーをシャーシにそのまま付けた場合・・・どうなるか。
まずはそこから見て行きましょう。
【1・大径ローラーを装備】
ローラー径が大きいので、フェンスのつなぎ目に引っ掛かることが少なくなるので、
つなぎ目などはクリアし易くなるかな。
また、コーナーでは・・・出きるだけ内側を走ろうとするので、
走行する距離が少なくなるので・・・速くコーナーを曲がれます。
さらに・・・大きい径なのでフェンス接触中の回転数が少なくて済むので、抵抗も受け難いです。
マラソンとかで・・・曲がり角を出来るだけ内側を走れば、
走る距離が短くなって速く進める事と同じかな。
【2・小径ローラーを装備】
ローラー径が小さいので、フェンスのつなぎ目で引っ掛かりやすい。
また、コーナーでは外側を回ろうとするので、走行距離が長くなってしまう。
コーナーを曲がっている時にローラーの回転数も多くなるので抵抗も受けやすい。
けど、ゆるやかにコーナーを曲がろうとするので・・・安定しやすい。
こう見ると・・・速く走るには出来るだけ大きな径のローラーを装備した方が良い事になります。
しかし・・・ローラー径には限界があり、最大でも20mm。
そうしたらどうしたらいいかなぁ・・・・っと考えると・・・・。
おのずと速い人たちがFRPなどでレギュレーションの幅105mmギリギリにしている理由が分かるはず。
オススメとしては・・・FRPで延長しない場合、大径ローラーを使う事をオススメ。
3 『ローラー取り付け位置によるセッティング』
基本、ミニ四駆のローラー取り付け位置は・・・フロント+サイド+リヤの3箇所に取り付け部分があるはず。
ただ、ミニ四駆PROシリーズのMSシャーシの場合はサイドが無いので、フロント+リヤだけになります。
このローラー取り付け位置によってもマシンのコーナリング特性、ストレート安定性等が変わってきます。
【1・フロント+リヤ】
この組み合わせはコーナーでもストレートでも比較的安定して走行の出来る組み合わせです。
フロントローラーとリヤローラーとの距離が長くなる事によって、
コーナーを曲がる際にしっかりとマシンを安定させてくれる組み合わせで、
現在、最もポピュラーな取り付け位置の組み合わせです。
また、ミニ四駆PROシリーズはサイドステーが無いので、必然的にこの形となります。
【2・フロント+サイド】
この組み合わせはコーナーで小回りを利かせ、ハイスピードでコーナーを駆け抜ける組み合わせです。
また、リヤにリヤステーなどの追加部品がないので軽く仕上げる事が可能です。
しかし、フロントとサイドのローラー間の長さが短いので必然的にコーナー速度は上るのですが・・・・
マシン後方にどうしても荷重が掛かり気味(遠心力によってマシン後方が外側に振られる)となるので、
コーナーでのマシン安定度は下がってしまいます。
ミニ四駆PROシリーズでは・・・このローラーセッティングを行なう事はノーマルでは不可能です。
【3・フロント+サイド+リヤ】
フロント+リヤの組み合わせに、更にサイドへローラーを取り付けた組み合わせ。
フロント+リヤの安定力に加え・・・サイドにローラーが加わった事で、
更なる安定力の向上と、タイヤがコースの壁に当たることを防止する事が出来ます。
ただし、タミヤのレギュレーションではローラーは6個までと言う事で・・・
この組み合わせだとフロント、サイド、リヤに1セットしかローラーをセットできなくなるので、
リヤを2段にしたいと言うことは出来なくなるので注意。
4 『ローラーの大小の組み合わせによるセッティング』
ご存知の通り、ローラーには様々な径があり・・・その組み合わせは無限大です。
では・・・・今度はローラーの径の大小の組み合わせによって、
マシンがどのような特性を出していくか・・・見て行きましょう。
【1・フロント 大 + リヤ 小】
フロントローラーが大きく、リヤローラーが小さい組み合わせ。
コーナーで・・・常に内側を向き、ストレートへ入る瞬間にコーナーから離れていこうとします。
そうすると・・・ストレートでの立ち上がりが早く、フェンスへ接触しようとする力も少ないので速く走れます。
・・・・が、そのフェンスから離れようとする為に・・・ストレートでフラフラと動いてしまうので、
ストレートでタイムロスが出来やすくなってしまうのが欠点です。
長所:コーナーで速度が出やすい+ストレート入口での加速がし易い
短所:ストレートでマシンがフラフラし、タイムロス
オススメコースレイアウト:コーナーの数がかなり多いテクニカルコース向け
【2・フロント 小 + リヤ 大】
フロントローラーが小さく、リヤローラーが大きい組み合わせ。
この組み合わせになると、常にコースの外側の壁に張り付くような走りとなります。
その為、安定力ではこの組み合わせがトップクラス。
また、コーナーからストレートに入る時も常にフェンスへ押し付けられているので、
ストレートでフラフラせず、直進性も向上します。
・・・が、常にコース壁へと押し付けられるので、摩擦抵抗が増え・・・壁の方へ走行パワーが逃げてしまうので、
全体的にタイムロスになる事が多いです。
長所:コーナー、ストレート共に壁に沿うように走るので安定力がある
短所:壁との摩擦抵抗、パワーロスによって速度ダウン
オススメコースレイアウト:コースアウトの危険性が高いコース向け
【3・フロントとリヤが同径】
フロントローラーとリヤローラーが同じローラー径の組み合わせ。
上記のフロント大+リヤ小とフロント小+リヤ大の中間にあたる組み合わせで、
ストレートで抜群の安定性があり、コーナーでの減速も少ない組み合わせになっています。
また、現在はこの組み合わせになる事が多いようです。
ストレートもコーナーでも安定して速度の出せるオールマイティな組み合わせです。
もしも、迷った場合は・・・この組み合わせにしておくのが無難かな。
長所:ストレート・コーナー共に安定し、速度が出る
短所:安定力ではフロント小+リヤ大に劣り、コーナー速度はフロント大+リヤ小に劣る
オススメコースレイアウト:ストレート主体のコース
※注意※
此処では単にローラー径の大小の違いで話しているけれども、
もし、小さいローラーを装備していても・・・FRPなどで幅を広げた場合、
それは大径ローラーと同じ役割をするので注意。
一番重要なのは・・・左右のローラー幅を気にしてね。
5 『ローラー取り付け高さによるセッティング』
アルミスペーサーや長いビスなどを使う事で、ローラーの高さが自由に変更できる。
その高さの関係を含めると・・・ローラーセッティングの組み合わせは無限大。
そこで・・・ローラーの高さによって何が変わるか・・・それを見ていこう。
また、此処ではミニ四駆の専門用語・・・『インリフト』と『アウトリフト』に関しても覚えておこう。
『インリフトとは』
インリフトって言うのは・・・コーナーやレーンチェンジャーでイン側のタイヤが浮き上がってしまう現象の事。
例えば左カーブでインリフトするというのは・・・マシンを前から見て右側が浮いてしまう事。
そうすると・・・マシンは遠心力によってコーナーの外に飛ばされてしまいます。
『アウトリフトとは』
インリフトとは逆に、コーナーやレーンチャンジャーでアウト側のタイヤが浮き上がってしまう現象。
左カーブの場合・・・まぁ、コーナーでアウトリフトする事は殆ど無いんだけれども、
マシンを前から見て左側のタイヤが浮いてしまう事。
そうすると・・・マシンはイン側に横転するように転げるようにしてコースアウトする事に。
【1・ローラー高さが低い】
ローラーの高さが低い場合・・・アウトリフトを防止する事が出来ます。
また、ローラーがコースの壁に引っ掛かることが無く、
特にレーンチャンジャーの下りでトラブルが少なくなり易いです。
しかし・・・逆にインリフトが発生しやすいので注意。
フロントローラー向きの高さになっています。
【2・ローラー高さが高い】
ローラーの高さが高い場合・・・インリフトを防止する事が出来ます。
ローラーの取り付け位置が高いので、遠心力による傾きを抑えてくれる為です。
しかし・・・この位置が高すぎるとコースの壁に乗り上げたり、
意味の無いローラーとなってしまうので注意。
フェンスの高さが5cmなので・・・それ以下にする事が大切だよ。
また・・・下側にローラーが無い場合はアウトリフトしやすいのでこれも注意。
リヤローラー向きの高さになっています。
【3・ローラー高さが中間】
上記の高さの中間の場合・・・どちらかと言えばインリフトを防止する方に働いてきます。
しかし、高さがそれなりに下にも付いているので・・・アウトリフトも若干は防止してくれるかも。
まさに中間の位置だね。
コーナーでのバランスも良いし、ストレートでも期待できるよ。
6 『最速のローラーセッティングとは・・・・?』
此処まできたら、今までの基礎知識を踏まえてローラーセッティングを決めていくことになるかな。
ローラーの種類・・・径・・・位置・・・高さ・・・。
この要素を各個決めていくんだけども・・・まず決めなくちゃいけないのが、
自分のマシンはどのような走りをさせるか・・・・だね。
とにかく安定させて完走を目指したいのならば、
フロントはローラーを小さく、リヤを大きくして・・・フロントはゴムリング付きにしよう・・・とか。
とにかくコーナーを速く走りたい場合は、
フロントローラーを大きく、リヤを小さくして・・・フロント、リヤ共にベアリングローラーにしようなど。
その基本から・・・今度はさらに安定させるにはどうしようかなぁ・・・と言うことで、
コース上のマシンを良く見て・・・今度は高さを変えてみようとか、
色々試していけば・・・きっと道は見つかるはず。
どんなコースでも安定して最速タイムを叩きだすローラーセッティングはこれだっ!!
・・・っという物は絶対に存在しないので、コースに合わせてセッティングしていくのが・・・
ミニ四レーサーの仕事。
まぁ・・・それでもオススメって言うのはある訳で、
まず初めには・・・スライドダンパーや可変アルミダウンスラストなどを使う前に、
FRP系のGUPを使ってセッティングしていくのがオススメかな。
バンパーの強度も上るので寿命もあげる事ができるからね。
7 『ローラーセッティングの実状』
なんだかんだと言いながら・・・実際はローラーセッティングはどのコースでも似てくるんだよね・・・実は。
ただし、コースに合わせてって言うのは・・・重要。
細かい所でタイムや安定に差が出てくるから・・・それはもう、何度も何度もセッティングを繰り返してかな。
さて・・・本格的な速さと安定力を求めるローラーセッティングと言うものは・・・。
ストレートがちょっとでもある場合は・・・ローラー取り付け位置はフロント+リヤで左右のローラー幅は同じなのが基本。
どう頑張っても、コースの壁にローラーが当たっている限り・・・摩擦抵抗などは発生してしまう。
その為・・・コーナーでそれなりに減速してしまうのは防ぎきれないけれども、
ストレートではフラフラせずにローラーが壁に当たらなければ最高速で走れる事になる。
その為に・・・フロントとリヤのローラー幅が同じであることが大切。
それも・・・1mm単位で同じである事が望ましい。
・・・・・人によっては0.01mm単位で同じく・・・って言う世界なんだよ。
安定性の方は・・・明らかにマシンの4隅・・・フロントとリヤにそれぞれ4個ずつ付ければ安定はするはず。
ただ、レギュレーションで6つまでと決まっているので・・・いかに安定させるか・・・。
そう考えると、レギュレーションぎりぎりの幅・・・105mmに設定して、ギリギリの高さや低さが一番良いはず。
しかし・・・低すぎるとレーンチャンジャーやスロープでローラーが引っ掛かったりするので、
コースを傷めるだけでなく、ローラー自体にもダメージがあり・・・ブレーキが掛かるので結局は速度ダウン。
逆に高すぎると・・・前にも言ったようにコースに引っ掛かる。特にレーンチャンジャーの下りで引っ掛かりやすい。
高さは低すぎても高すぎてもダメ・・・・この辺は地道にセッティングしていくしかないね。
直径の差について・・・レギュレーションギリギリの範囲(105mm)でローラーを取り付けた場合、
ローラー径が大きくても小さくても、マシンの走る所は内側に寄るので・・・走る距離は短くなります。
そうすると・・・小径ローラーは多く回ってしまうのに対し、大径ローラーは少ない回転でコーナーをクリアする。
つまりは・・・大径ローラーの方が回転の抵抗が全体的に少なくなる事でコーナーでの減速が少ない。
・・・・・まぁ、ローラー自体の精度や回転が良ければ大径の方が有利って事。
ローラー素材については・・・ゴムリングを使用しているローラーだと、摩擦抵抗が多くてかなり減速してしまう。
速さを求めるのなら・・・ゴムリングは避けた方が良いかな。
ただし、どうしてもコースアウトして・・・完走を目指したい場合には投入するのもアリ。
それ以外では・・・金属製(ベアリングローラー)かプラスチック製のローラーがベスト。
金属もプラスチックもコースの壁との摩擦は少なく、減速しにくいからね。
摩擦抵抗としては・・・・金属の方が滑りやすくて良いんだけども、
プラスチックローラーの場合は接触面積が少ないので・・・ほぼイコールと見ても良いかも。
この図を見てもらうと分かるけれど、上からプラリング付きアルミベアリングローラー、
プラスチックローラー(セットアップローラーズ)、ベアリングローラーの順で面積が大きいのが分かるかな?
ほぼ点接触のプラリング付きアルミベアリングローラーの摩擦抵抗の少なさはトップクラスと言うことだね。
ミニ四駆PROのキット付属ローラーも接触面積的には点だから抵抗は少ないはず。
ただ、ベアリングが入っていないので・・・回転がしにくいから、プラリングローラーには及ばず・・・かな。
高さについては・・・アウトリフトかインリフトかを見極めて、
アウトリフトしている場合はローラーの高さを下げ、
インリフトしている場合はローラーの高さを上げるという地道な作業が必要かな。
この微妙な調整がし易いのがビスを使用しているマシン。
速いマシンはビスの代わりにモーターピンを使っている事が多いけれども、
このような微調整っていうのには向かないローラーの取り付け方法になっちゃう。
最初の内は様々な長さのビスやスペーサーを使って弄ってみてね。
8 『ローラーセッティング奥の道』
さらにローラーセッティングには・・・奥深いものがあって・・・。
1つはホイールの中心とローラーとの位置関係。
これ・・・説明するのはなかなか難しいんだけれども・・・結果だけを話せば、
シャーシの項目でも確か少し触れたと思うけれど、ローラー幅がフロント、リヤ共に同じでも
【4・ローラーの大小の組み合わせによるセッティング】で説明した特性を持たせる事が出来るって事。
フロントローラーを出来るだけフロントホイールの中心に近付け、
リヤローラーをリヤホイール中心から離すと・・マシンはローラー径がフロント小+リヤ大の動きになる訳。
位置関係を逆にして・・・フロントローラーをフロントホイール中心から離し、
リヤローラーをリヤホイール中心に近付けると・・・・マシンはローラー径がフロント大+リヤ小の動きになる。
コーナーの壁と前後ローラーの接点を結ぶ直線はどんなつけ方をしていても同じだけど
その直線とマシンの中心線は必ずしも平行ではなくなる・・・と言うことからこの現象が起きます。
マシン単体で見たときは平行で同じなんだけど、このときにマシンの中心線がどこを向いているかで
フェンスよりに走るか離れる方へ走るか決まるので、結果的にローラーの大小でつけた時の効果と似たものになるんだよ。
ちなみに・・・フロントを寄せてリヤを離すと・・・マシンは外側を向くようになりますので、
コースがあって興味のある人は試してみると良いかも。
2つ目として・・・・フロントローラーをフロントホイール中心に寄せる事で直線距離が伸びると言う事。
コーナーへ進入しても、ローラーが後ろの方にあればあるほど、
ローラーがコーナーの壁に当たる時間が若干長くなるので・・・ストレート距離が伸び、タイムが伸びる。
逆に遠くした場合は、コーナーの内側を走ることになるので、走る距離自体が短くなるので・・・タイムが伸びるはず。
ただ、やっぱりミニ四駆の場合は直進するのが一番抵抗の無い状態なので、
近付けた方が若干効果的かな。
っと・・・・ローラーのセッティングについてはこれだけの事があります。
シャーシには基本的なネジ穴しか開いていないけれども、
それにFRPプレートなどのGUPを組み合わせる事で無限大に広がっていく・・・。
さらに、GUPを一工夫して別な使い方をすると・・・・更に幅は広がる。
ミニ四駆の中でローラーセッティングと言うのはかなり奥深い事って事が分かってもらえたかな?
9 『ローラーセッティング・・・裏技』
ネットの使える環境でもそうでなくても・・・聞いた事があるとは思う『脱脂』
ベアリングの中にあるグリス(油脂)を取り除く事で回転を上げ、抵抗を減らす技術。
これをするかしないかで・・・大分タイムに差が出てくるので、出来るならばしておきたい所。
脱脂を行なう方法として・・・ホームセンターや車用品の販売店で売っている、
ブレーキクリーナー(又はパーツクリーナー)をシューっと吹きかけて脱脂。
後は、小瓶などにジッポオイルを入れてその中にベアリングを投入し、
フタを閉めてガシュガシュと振る事で脱脂する方法などがあるよ。
ただ・・・注意して欲しいのは・・・。
グリスによって錆びを防いでいたのに、そのグリスを取り除いてしまっているので・・・
ベアリングを長い間そのままにして放置するとすぐに錆びてしまいスムーズに回らなくなります。
それを防ぐには・・・レースが終わった後にはシリコンオイルなどを垂らしてあげて、
またレースの時に脱脂・・・と言う風にした方が良いかな。
ベアリングローラーは値段もするし、せっかく高性能なローラーなんだから長く使いたいしね。
と、かなり長くなったけれどもローラーについてはこのくらいで。
難しい事も書いてあるけれども・・・マシンの速さや安定を左右するローラーセッティングをマスターすれば・・・
最速マシンの誕生も近い。
何度も言うけれども・・・『コースを良く見て最良のローラーセッティング』を忘れずに。
さて・・・次はマシンを何時もベストの状態に保つ為の重要な作業・・・。
マシンメンテナンスの事について書いて行くよ。