9・このパーツは・・・どうよ?
タミヤから発売されている、または発売されていたパーツの種類はかなりの数。
モーターやギヤの基本的なパーツからFRPプレート、ベアリングローラー・・・。
その多くのパーツを組み合わせて自分だけのマシンを作り上げていく。
それがミニ四レーサーとしての宿命。
・・・が。
そんな多くのグレードアップパーツの中でも、
『使えないパーツ』だとか『意味の無いパーツ』と噂される物。
果たしてそのパーツ達は本当に使えないのか?
それを検証していくコーナーです。
その為、このコーナーは随時更新していくつもりです。
1・ワンウェイホイールシリーズ
数多いパーツの中でも賛否両論のこのおなじみのGUP。
タミヤではコーナーで左右のホイールに回転差を与える事でコーナーでスムーズな走りを・・・とあります。
しかし、その実態は横滑りをするコーナーの外側・・・つまり外輪側のホイールをワンウェイ機構によって空転させています。
つまり・・・外側のホイールの駆動力を低下させている為、4輪にワンウェイホイールを装着していた場合、
ほぼ内側の前と後ろの2本のホイールによって走る事になります。
いくらミニ四駆がそれほどタイヤのグリップを必要としないとしても、駆動力を2つ失えば減速します。
しかし、コーナー時に外側の駆動を殺す事で横滑りはせずに曲がっていけるでしょう。
これがワンウェイホイールの効果の正体ともいえます。
ただ・・・コーナーだけにこの効果が出るだけなら良いのですが、
ストレートを走っていてもマシンは横に振られる時もあります。
その際にワンウェイホイールの効果が発揮されてしまう時もあるので・・・ストレートでは結構ロスに。
この駆動力の低下をカバーするのが・・・『スポンジタイヤ』
グリップ最小限主義である現在のミニ四駆界で蔑ろにされているスポンジタイヤ。
このタイヤはワンウェイホイールに装着する事で真の力を発揮するそうです。
駆動力の低下をスポンジタイヤの有り余るグリップ力でカバーしてしまいましょう。
また、スポンジタイヤ使用によりホイールの1本辺りの重量も激減します。
ホイール単体ではノーマルホイールよりもかなり重いワンウェイホイールですが、
スポンジタイヤはゴムタイヤに比べてかなり軽い為、これでほぼノーマル+ゴムタイヤと同じ位になります。
さらに・・・空転させる度合いを下げる為に行なうのが・・・『給油』
ワンウェイにグリスアップは厳禁!・・・と言われていますが・・・確かに『グリスアップは』厳禁。
グリスだと粘度が高すぎてワンウェイの空転作用が上手く働かず、ただの駆動力が若干低下するノーマルホイールと化すので、
スポンジタイヤ必須装着しているとグリップ過大でスピードが伸びません。
なので・・・『オイルアップ』を施します。
粘度が殆ど無い液状のオイルを使用する事で空転作用を若干抑制しつつ、滑らかな動きを与える事ができます。
ポリメイトやスクワランオイルなどが効果的。
最後に・・・スポンジタイヤは・・・『接着』
スポンジタイヤの内側は結構滑りやすく、抜け易いです。
なのできちんとした駆動力を確保する為とトラブルを防止する為に両面テープ又は接着剤で固定しましょう。
また、その状態でタイヤの角を丸くしたり、タイヤ径をヤスリ等で均等にしておくと更にベストです。
※このパーツは・・・どうよ? 結論
『使えないことは無い けれど 使う為にはそれ相応の苦労が必要』
まぁ・・・使える場面はなかなか限られてくるけれども、公式5レーンコース等の路面が滑るようなコースには有効的かも。
また、どうしてもコースアウトして困るという時・・・そんな時にどうぞ。
2・スライドダンパーシリーズ
第2次ブームにはかなり付けていた方も多いはず。
コーナー進入時やコースつなぎ目の段差等でのショックを軽減させて安定させる・・・というGUP。
確かにストレートからコーナーに入る時や公式5レーンに多い荒いコースのつなぎ目は結構厄介。
ローラーが受けた衝撃はそのままバンパーへ伝わりマシンが大きく弾かれてしまいます。
拙くすればその衝撃でコースアウト・・・なんて事も。
そうすると・・・このスライドダンパーって結構使えるんじゃない?と・・・思うのだけれど・・・致命的な欠陥が。
まぁ・・・まず何がダメだって・・・かなりの『強度不足』
パーツを構成する部品が全て樹脂製でギミック搭載されている為にかなり脆い。
時にローラー取り付け部はすぐにガタガタになるし、ビス穴を貫通させてるとスライド時に干渉するし・・・。
むしろローラー取り付け穴がすぐにダメになると言う事は・・・衝撃が吸収しきれていないとも。
これを何とかするには・・・スライドダンパーを1からFRPプレートとかで作るしかないだろうなぁ・・・。
そして次に・・・『動きが悪い』
グリスを塗ったとしても基本的に動きが悪い。
その為、折角のショック吸収効果も落ちているのだと思うんだよね。
多分だけれども、そのせいでビス穴の破損も早いのかもしれない。
この部分も塗るオイルやグリスの研究、スライドさせる部分の材質を変えていかないとダメかも。
リヤスライドダンパーステーなんかはスライドする部分が金属なので・・・粘度が少なめなグリスを塗ると良く動くんだけどなぁ。
※このパーツは・・・どうよ? 結論
『強度不足を要改善 コースコンディション次第 でも、微妙』
決定的な欠陥さえ何とかなれば・・・2、3mmのコース壁の段差は問題ないと思う。
まぁ・・・それも結構コース次第にはなるんだけれども、それだけ段差で飛ぶマシンが続出すれば・・・きっとコースが改善されるはず。
今の状況では使う機会は殆どないのが現状。
ただ、新発売するスライドワイドローラーステーセットに期待・・・できるかなぁ・・・。
3・ステアリングシステム
ミニ四駆界に発売当初は激震を与えたと思われるステアリングシステム。
1本のシャフトによって左右のホイールを繋いでいるミニ四駆では不可能と思われていたステアリング機構。
ワンウェイホイールとは違って駆動はそのままで前輪の向きを変える事でスムーズにコーナリングさせるという代物。
確かにフロントのホイール角度が変わる事でスムーズな走りが出来るはず。
しかし・・・・。
やっぱり・・・・『強度不足』
ギミック系のパーツにありがちな強度不足。
このパーツの場合は左右のホイールを繋ぐリンクパーツの強度が無さ過ぎてクニャッと変形します。
すると左右のホイール向き加減がアンバランスになり、逆に抵抗になってしまいます。
このリンク部分の強化が必要です。
動く事には動くけど・・・・・『精度不足』
組んでみると分かるけれども・・・結構いたる所がガタガタと動いてしまう。
しかし、丁寧に組んでもガタが出たりと作るのにもかなりの技術を要してしまう。
この精度不足は直接スピードに関わる部分なので・・・スライドダンパーのように機構を作り直さないとダメっぽいです。
また、軸受はキット付属だとプラリングみたいなのだけれども、これは850ベアリングに替えるのは必須。
※このパーツは・・・どうよ? 結論
『上手く作れば化ける しかし 茨の道』
かなり頑張ればかなりトリッキーな動きをするマシンに仕上がるらしいステアリングシステム。
やっぱり強度不足が仇となって活躍する場所がないのが現状。
ただ・・・上手く作れれば・・・・。
4・可変ダウンスラスト
コーナー進入時にダウンスラストが変化し、コースアウトを防ぐGUP・・・ですが。
何と言うか・・・常に強力な『ダウンスラストが掛かり過ぎ』
確かにコーナーに入ってダウンスラストのアームが作動すると・・・かなりの下向き角度が付きます。
むしろ、付き過ぎな位に(笑)
その為、コーナーでは常に減速しながら走る事になります。
なのでコースアウトは防げるかもしれませんが、かなりコーナーでの速度が落ちます。
アルミ製なのに・・・・・『強度不足』
プラスチック製の可変ダウンスラストは問題外ですが、アルミ可変も結構脆いです。
1回コースアウトして壁か何かにぶつかると曲がってしまう事もしばしば。
しかし、問題なのはその可変機構。
アーム部分は取り付けるとかなりガタガタ動くのが分かるはず。
フロントローラーがコレだけぶれてしまうと・・・コーナリングやレーンチェンジでかなり不安定になるかも。
まぁ・・・可変機構でかなり減速させるのでその辺は意外と大丈夫なんだけれども・・・。
※このパーツは・・・どうよ? 結論
『使わないほうが無難かもしれない』
強度不足を改善したとしても、ダウンスラスト角度がきつすぎます。
ただ、ローラーの取り付け角度は基本下向きに付けるので常にダウンスラストが掛かっています。
それだとこのパーツをつけなくても変わらないじゃん・・・っと、思いますが、
このパーツにローラーを付けるとどんなローラーでも点接触になります。
その為、フロントローラーの揺さぶりに対して大分弱くなってしまいますので・・・・。
スタビを付けようにも斜めになっているのでローラーが接触しなくなったり、転倒する位傾かないとスタビが当たらなかったりと・・・。
っと、今の段階でこのコーナーの項目は4つです。
今後、何か追加になれば増やしていきたいと思います。
また、上記の4つのパーツもまだまだ情報不足な為に完全な答えではないと思うので情報収集や研究をしながら煮詰めて行きたいと思います。